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「酒場の哲学者」と「劇場のヤンキー」

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  • 2017年4月23日
  • 読了時間: 2分

インテリたちはこう思うだろう。

「酒場に哲学者などいない」と。

ヤンキーたちはこう言うだろう。

「劇場にヤンキーなんかいねえよ!」と。

その通り。「哲学者」は酒場で悪絡みしたり喧嘩したりなどしないだろうし、「ヤンキー」はオペラやオーケストラの公演を観たりしないだろう。

しかし、ヤンキーから見れば、劇場にいるお高く止まった連中は「ヤンキー」に見え、哲学者から見れば、酒場で騒ぐ連中は「哲学者」に見えるのだ。これはつまり、自分が価値を認識しないモノに価値を置き、あまつさえそれを楽しんでいるような者は、"見かけ上"自分と正反対の存在に見えるということである。

だが、裏を返せば、自分は他人が価値を置かないようなものに価値を置いている、ということである。

あなたは自分を一般人だと思うかもしれない。しかし、お金という概念に価値を置くあなたは、それを認めない人々からは資本主義の豚であり帝国主義者の手先だと思われるかもしれない。あなたは自分をヤンキーだと思うかもしれない。ところがあなたは、法と秩序を守らんとする警察官や裁判官を脅威に感じるかもしれない。あなたにとって、彼らこそ「ヤンキー」である。彼らにとって、あなたたちは「サツ」かもしれない。

これは構造主義的で虚無主義的な考え方だ。

だがこれだけは厳然たる事実である。

人は絶対に分かり合えない。分かり合おうとすることこそ、真に不毛である。

分かり合えない相手は、「考え方」が違うのではない。そこは"同じ"なのだ。ただし、「価値の設定」が違うのだ。あなたが信奉するのと同じくらい、彼はあなたの忌み嫌うものを信奉しているであろう。それを考えれば、分かり合えるなどと思えないはずだ。

そしてこの事を知らない彼は、あなたほど寛容ではないだろう。


Commentaires


​書いてる人:シュヴァルツ

​かつて神聖ヴィンラディック帝国で官房長官をやっていたという経歴を持つ既知の外。ヘヴィーメタルをこよなく愛する、ヴィンラディックメタリストでもある。

​なんか連絡とりたい方はTwitterのDMとかでどうそ。

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​人よ、既知の外たれ。ヴィンラディックたれ。

このWebサイトはElf V. Schwarzのオンラインなメモ書き的やつです。

自分の中で整理をつけるために書いています。それだけです。

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