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ゴルゴ13の名作を語る2:「落日の死影」

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  • 2016年10月5日
  • 読了時間: 2分

第2回、コンパクト版26巻より、「落日の死影」。

「ゴルゴらしさ」が完成してきた頃の名作である。

ストーリーはごく単純である。アメリカで大統領命令を無視して化学兵器が研究・製造されていたことが明らかになり、その施設がどこにあるのかと国中で大騒ぎになる。これはCIAでも把握していないことだった。そこでCIAは火消しのためゴルゴを雇い、施設の壊滅と経営者の抹殺を依頼する。ゴルゴはミクロネシアのパラオ諸島を訪れ、施設を探り始めるが、自分以外にも同じようなルートで探りを入れている人間がいることを知る。それはKGBが雇ったプロだった…。二人は奇妙な共闘を行うが、最後に仕事を終えて帰還しようとすると、そのプロに無線が入る。「西側の機関が君と同じようなプロを雇ったらしい、発見次第始末してくれ…」。ゴルゴとそのプロは、お互い一発だけ残していたライフルを手に何時間も対峙し…。

お互いが名乗らないことがとてもゴルゴ13らしい。

利害関係が一致している間は死体も増やさないし、仕事の邪魔はしない。

対峙してから、東側のプロは、潮の満ち引きや研究所から逃げ出してくるであろう化学兵器の材料になった毒持ちの動物たちについて語る。それはゴルゴを揺さぶろうとするのではなく、ただ状況を淡々と語っているだけ。対するゴルゴは一切しゃべらない。お互い汗をかき、緊張が続く。張り詰めた状況が、洞窟から飛び出してきたコウモリによって静から動に移るのが西部劇チックで良い。

この話は変わった画風で書かれていて、何かのインタビューでさいとう・たかを氏が実験的にやってみた画風だと語っていたような気がする。その後この画風をやらなかったのは、しつこくてあまり気に入らなかったからだとも語っていたと思うが、私は結構好きだ。陰影がハッキリしていて、昭和の映画看板のような味がある。

ちなみにこのコンパクト版26巻にはもう一つ、"殺し屋"との戦いを描いた「死者の唄」も収録されている。非常によろしい巻である。


Comentários


​書いてる人:シュヴァルツ

​かつて神聖ヴィンラディック帝国で官房長官をやっていたという経歴を持つ既知の外。ヘヴィーメタルをこよなく愛する、ヴィンラディックメタリストでもある。

​なんか連絡とりたい方はTwitterのDMとかでどうそ。

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​人よ、既知の外たれ。ヴィンラディックたれ。

このWebサイトはElf V. Schwarzのオンラインなメモ書き的やつです。

自分の中で整理をつけるために書いています。それだけです。

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