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最近のニュースについてボヤく:1「なぜ自民党以外が政権を取れないか」

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  • 2016年9月20日
  • 読了時間: 5分

最近のニュースについて、それ自体、またそれに関連した社会的なことを書いていくシリーズです。第一回はこちらのニュースに関して。

民進党 新代表に蓮舫氏 女性で初 | NHKニュース http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160915/k10010687331000.html

●だからどうした

民進党…要するに民主党+日本維新の会残党…の党である。

その代表に蓮舫おばさんが選ばれた。大方の予想通りである。しかし国民の大半はこう思っている。だからどうした、と。だれが代表になろうと関係無い。全く関係ない。首相が誰でもあんまり関係ないと感じる現代日本人大衆に、野党の党首が誰か、なんて心からどうでも良い話題だろう。

●与党と野党

ところで、日本の与党と言えば自民党である。そして冷戦期の野党と言えば、日本社会党(現・社会民主党)である。その後、冷戦の終了に伴う野党再編で新党の乱立、細川内閣などを経て、平成の野党と言えば民主党(現・民進党)となった。しかし結局のところ、与党、政権担当といえば自民党である。なぜ自民党なのか?55年体制によって築かれてきた票田や利権構造から自民党が長期安定的に与党として君臨しているとしたら、数度にわたって非自民政権が存在した事実について説明できない。

●日本の民主主義は終わってるのか?

それを踏まえたときに、最近の某学生運動団体などが主張した「民主主義を守れ」というスローガンは、全く的はずれであると論理的に主張できる。日本の議会制民主主義は十分に機能を果たしている。

そのような主張をする団体が登場する前の選挙だが、『第46回衆議院議員総選挙全国意識調査』を見てみよう。ネットで簡単に閲覧できる。これによれば、投票した理由(複数回答)として一番に挙がっているのは小選挙区も比例代表も「候補者の属する党の政策や活動を考えて」である。それから比例代表の第2位の理由に「他の党よりましだから」というものがあるのは特筆に値するだろう。投票した人間は考えている。少なくとも、自分は自分で考えて投票したんだと自己評価している。その結果が自民党の大勝だった。これが民主主義でなくて、なんなのだろうか。

●じゃあなんで民主党(当時)は選ばれなかったの

それは当たり前である。あの政権運営を見て民主党を選ぶ者は、おそらく家にTVがなく、新聞も取っておらず、民主党の広報誌だけを読んでいたとしか思えない。冗談です。まさにそういう状況だったから、やっぱり駄目だ民主党。やっぱりまともな自民党ということで自民党が勝った。単にそういうことである。

しかし、実はあの民主党政権には重大な意味があった。おそらく今後20年以上は影響を及ぼすであろう重大な要素。それは「自民党以外の政党はダメ、自民党は少なくともマシ以上」という一つの経験学習を国民が行った、ということである。

●争点なんて無い

この学習は、正直に言って自民党以外にとって致命的である。もはや向こう20年は正当な方法で政権が取れないと予言しても良い。それを説明しよう。以下に示すのは民進党の現在の政策主張である。見出しだけ見てもその実態がよく分かる。

国民との約束01「ふつうの人から豊かになる経済」

国民との約束02「チルドレン・ファースト子ども第一」

国民との約束03「働く人を守る、働き方を変える」

国民との約束04「女性の声で社会を変える」

国民との約束05「シニア世代の安心を守る」

国民との約束06「次世代にツケをまわさない」

国民との約束07「地域経済を立て直す」

国民との約束08「被災地復興と防災力の強化」

国民との約束09「国を守り、世界に貢献する」

国民との約束10「憲法の平和主義を守る」

国民との約束11「国民の自由と人権を守る

(『民進党の国民との約束「人からはじまる経済再生。」2016年06月22日』より)

これらは全て、日本人なら誰もが「なんとかして欲しい」課題である。では自民党はどうだろうか?

Ⅰ.経済再生・財政再建

 ・経済再生と財政再建の両立を

 ・速やかな経済対策を

 ・本格的な成長軌道を

 ・科学技術立国を

 ・躍動感ある経済の実現を

 ・国際展開とインフラ整備を

 ・責任あるエネルギー戦略を

 ・多様な働き方で皆が活躍できる社会を

Ⅱ.地方創生・女性活躍推進

 ・地方が主役の真の地方創生を

 ・個性豊かで魅力ある地域を

 ・強い農林水産業を

 ・中小企業・小規模事業者の躍進を

 ・すべての女性が輝く社会の実現を

 ・2020年オリンピック・パラリンピック   東京大会の成功を

Ⅲ.暮らしの安全・安心、教育再生

 ・東日本大震災からの復興加速化を

 ・持続可能な社会保障制度の確立を

 ・出産・子育てを応援する社会を

 ・生命・財産を守る国土強靭化の推進を

 ・将来を見据えた社会資本整備を

 ・教育再生の実行とスポーツの振興を

 ・治安・テロ対策の強化を

 ・暮らしの安全を

 ・地球環境への貢献を

Ⅳ.地球儀を俯瞰した積極的平和外交

 ・地球儀を俯瞰する戦略的外交を

 ・拉致被害者全員の早期帰国の実現を

 ・揺るぎない防衛体制の確立を

Ⅴ.政治・行政改革

 ・国民のための政治・行政改革を

Ⅵ.憲法改正

 ・時代が求める憲法を

(『自民党政策サイト 政策BANK(見出し)より』)

あれ?どこが違うの?と言いたいぐらい似ている。だがそれは当たり前である。なぜなら、その時点で国家に必要な政策というものは、常に定まって見えるものだからである。もしその国の抱える問題について、その国を代表する2つの党がそれぞれ全く異なる観点で考えているとしたら、大変危険である。政策は似通う。

では似通った政策を掲げる党が二つあったら、どちらに投票するか。それはもう右か左かといった好みの部分によるしかないのだが…ここである。つまり民主党の血統は、あの政権運営により、この「好み」という部分について「マシ」とすら思われなくなってしまった、ということである。

政策上の争点など無い。まともな中道右派とまともな中道左派。ただ実績のある中道右派が選ばれ、大失敗の経験がある中道左派は選ばれない。そういうものである。

蓮舫おばさんはその辺を理解し、政策上の争点で自民と戦うのではなく、国民の好みに合わせた良いイメージの民進党運営をしていくべきである。そうすれば、少なくとも10年後ぐらいには悪いイメージから抜け出し、自民党と戦えるようになる土台ができるかもしれない…。


Comments


​書いてる人:シュヴァルツ

​かつて神聖ヴィンラディック帝国で官房長官をやっていたという経歴を持つ既知の外。ヘヴィーメタルをこよなく愛する、ヴィンラディックメタリストでもある。

​なんか連絡とりたい方はTwitterのDMとかでどうそ。

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​人よ、既知の外たれ。ヴィンラディックたれ。

このWebサイトはElf V. Schwarzのオンラインなメモ書き的やつです。

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