名盤を聴く：1 Toxik-Think This

シリーズ「名盤を聴く」。第一回は、Toxik の2ndアルバム Think This です。

Toxikはアメリカ、ニューヨーク出身のバンド。1985年結成、1992年解散。2007年にオリジナルメンバーで再結成し、現在まで活動中。ちなみに再結成後は別バンドと言ってもいいくらい…残念ながら「劣化」している。

彼らの音楽性を言い表すのは難しいが、このアルバムに関しては個人的に「メロディックパワーテクニカルスラッシュメタル」と言いたい。「メロディック」「パワー」「テクニカルスラッシュ」という要素が潰し合うこと無く、それどころか全て完璧な形で結合したような、そんな奇跡みたいな作品がこれである。このアルバムは1989年発売だが、あまりにも前衛的というより先進的すぎた音楽性だったためか、あまり売れないまま解散してしまったようだ。2006年になって再販されるなど再評価されている。私が手に入れたのも再販版のデジパック仕様である。アマゾンだと新品も中古12000円近くするが、池袋ディスクユニオンで中古2100円ほどで購入できた。ぼったくりもいいところである。

内容だが、とにかく全曲名曲である。捨て曲など一切ない。トラック1～11(12はアウトロ)まで、最強のサウンドに包まれる。爆音で聴きまくれ！それでも特にお気に入りなのは5.Black and White,そして、7.War NJN 8/In Godである。7.については私の中で殿堂入りしている曲だ。いわゆる葬式で流してほしい曲。イントロから殺しにかかってくるギター、頭を振りたくなるリフ、細いのに太い声という私の大好きな矛盾を成功させたボーカル、そして必殺のソロ。文句なし。

どことなく漂う哀愁、かと思ったらノリノリのリフ、疾走ありバラードあり。全てハイクオリティに進行していく。激しいのに透明感がある。そんな矛盾を成功させるバンドは、今後(Toxik自体を含めて)現れてくることは滅多にないだろう。